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2016年9月14日 (水)

ケトン体とは(2): 「ケトン体が人類を救う」(宗田哲男)


にほんブログ村  9月3日の「ケトン体とは?」について補足する。
 
  ケトン体について知るには「ケトン体が人類を救う」宗田哲男 )が分かりやすいと思う。著者は産婦人科で、自身が糖尿病になり、標準の治療法(カロリー制限+運動+薬)ではなく、糖質制限法を用い、その優れた効果を実感した。

  産婦人科で厄介なものの一つが妊婦糖尿病で、これで出産をあきらめることもあるらしい。その治療に糖質制限法を用いたら、そこでも優れた結果が得られた。その際に、妊婦の健康管理のためにとったデータの中で、血液中のケトン値が高くなっていることに注目した。そこから著者のケトン研究が始まる。
  ケトン体を簡単に測定できる道具が売り出されてこともその研究を助けた。(私もこの本を読んでその測定器を購入した。
 
  著者の測定結果は医者の常識に反するものだった。ケトン値の上昇は危険なこととされているのに、ケトン値が上昇しても妊婦は平気だった。また特に、妊婦のケトン値が上がると障碍児が生まれるとされていたのにそれもなかった。
 
  人間には糖エンジンとケトンエンジンがある。通常は糖エンジンで動いているが、絶食をして体内の糖燃料が尽きると、ケトンエンジンが動いて体脂肪を燃やし始める。そうすると血液中のケトン体の量が増える。農耕を始める前の人類は糖類を得る機会は少なく、ケトンエンジンで生きてきたと推測される。
 
  著者は胎児や新生児がケトンをエネルギー源にしていることを発見した。人類が本来はケトンエンジンで生きていたことを示唆する発見である。
 
  (ただし、Newportの近著 (未邦訳)を見ると、乳児・胎児とケトンのことは2005年に出たStephen C Cunnaneの にも書いてあるらしい。)
 
  著者は糖質制限をして以来の体調の良さから、体をケトンエンジンが働いた状態に保つケトンダイエット(ケトジェニックな生き方)を推奨している。
 
  (日本ではダイエットというと痩せることを意味するが、英語のダイエットは単に「食事」である。ケトンダイエットは、「ケトンをふやす食事」を意味するだけで、「ケトンで痩せる」という意味ではない。)
 
  ケトジェニックな生き方を追求する人たちの、ケトン体に関する話題は、私のように、認知症の症状緩和にケトン体を利用する者にとっても非常に参考になる。しかし、目指すレベルはだいぶ違っている。ケトジェニックな生活を目ざす人が目標とするケトン値は数mmol/Lである。例えば2~6mmol/Lである。それを達成するための手法や体験談が書いてある。それに対し、認知症対策には0.4mmol/Lもあれば用は足りる。糖質を目の敵にする必要も薄いかもしれない。(NewportはCoconut Oilと糖質制限の併用を勧めているが)。
 

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