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2017年9月 3日 (日)

脳の糖尿病


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 「アルツハイマー病は脳の糖尿病」という本を読みました。(鬼頭・新藤 著、講談社2017.7.20)。ごく最近出た本です。
 糖尿病というのは、血中の糖が筋肉などの細胞にうまく吸収されなくなる病気です。糖が吸収されなくて、血液の糖度が高いままだと糖がタンパク質を傷めて、例えば毛細血管がやられます。

 血液中の糖を細胞に渡す働きをしているのがインスリンです。しかし、インスリンがあっても、細胞側の理由で、うまく効かない場合があります。そういう状態をインスリン抵抗性があると言います。

 脳の中でも同じ現象(インスリン抵抗性)が起きている、つまり脳も糖尿病になることが知られています。従来の1型糖尿病、2型糖尿病と並べて、脳の糖尿病を3型糖尿病と呼ぶ人もいます。

 東北大学が、この脳糖尿病仮説を証明したということも以前紹介しました。(と言っても、東北大のプレス発表文自体は私には今もってチンプンカンプンです。)

 インスリンが効かなくて血糖値が下がらないと、さらにインスリンが分泌されて、血液中のインスリン濃度が高まります。この高インスリン状態もまた、体を傷めます。

 上記の鬼頭・新藤本によれば、脳が糖尿病になることにより、下記の1,2を生じ、やがてアルツハイマーの発症に至るとされています。
 
1.高インスリン状態になり、これが、(アルツハイマーの原因である)アミロイドβの蓄積につながる。

2.細胞への糖の吸収がうまく行かない結果、アセチルコリン(神経伝達物質)の生成が減る

  アルツハイマー病の原因に関する新しい説です。著者も、「アルツハイマー病治療の大転換期が来た」という見出しを設けて、糖尿病の治療法(いろいろ新しい治療法が出てきている)を流用することによってアルツハイマー病の治療法が変わるのではないかと言っています。

  従来、糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい、というデータがありました。鬼頭・新藤本では、糖尿病もアルツハイマー病も、根は同じインスリン抵抗性だという立場です。 

  私が参考にしてきた、Mary Newport も第3の糖尿病を強調していましたが、上記1,2のことには触れていません。

  彼女の本と、鬼頭・新藤本はどこが違うのでしょうか、また、どう関係づけて読めばいいのでしょうか。

  Mary Newport の理論は、「アルツハイマー患者の脳では糖代謝がうまく行っていない」というところから出発します。鬼頭・新郷本によればそれは当然のことです。脳の糖尿病が先にあって、アルツハイマーになるのですから。
 
  Mary Newpot は、糖代謝がうまく行っていない脳細胞は、エネルギー源の糖が得られず、(ガス欠になって)、誤動作したり、細胞が衰弱・死滅したりすると考えます。

  そして、Mary Newport は、脳細胞はエネルギー源として、糖のほかにケトン体も利用できることに目を付け、代替エネルギ源として血中のケトン体を増やせば、脳細胞を活性化できるのではないかと考えたわけです。

  血中のケトン値を上げる食材としてココナツオイルを彼女の夫(若年性アルツハイマー病)に摂らせたところ、目覚ましい効果が見られたのでした。

  鬼頭・新郷本は、上記の(糖尿病脳の)「ガス欠」やケトン体による代替エネルギー補給については全く触れていません。

  私は、二つの本を下記のようにまとめて理解したいと思います。

  脳が糖尿病になることによって:

1.高インスリン状態になり、これが、(アルツハイマーの原因である)アミロイドβの蓄積につながる。(→やがてアルツハイマー病を発症する)

2.細胞への糖の吸収がうまく行かない結果、アセチルコリン(神経伝達物質)の生成が減る (→脳の機能低下)

3.細胞への糖(=エネルギー源)の吸収がうまくいかない結果、脳細胞がガス欠状態となり、誤動作を起こしたり、衰弱・死滅する。(この現象は代替エネルギー源であるケトン体を脳細胞に供給することで改善できる。)
 
 こう並べてみると、ケトン体はアルツハイマーの発症予防にも効きそうな気がしてきます。

 また、どちらの本も、アルツハイマー病にならないためには、脳の糖尿病にならないように予防しなければならない、その予防法は、普通の糖尿病の予防法と同じだ、としています。つまり、正しい食事と運動です。


補足: もう少し調べたいな、という点はあります。

 伝統的糖尿病では、糖が(筋肉に級数されず)血中に高濃度で残ることを問題視しますが、糖を受け取り損ねた細胞の方の問題はあまり論じられていない気がします。つまり上記3で言うような「ガス欠」を問題視している話を読んだことがありません。

 脳細胞においてのみ「ガス欠」問題が起き、ケトン体の摂取で改善されるのはなぜだろう、ということが疑問に残るのです。
 
 

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3型糖尿病・ココナツオイル・MCTオイル・ケトン体」カテゴリの記事

コメント

今回知人が神経難病にかかり情報を求めて検索させて頂いていたところ
Yさまのブログを拝見させて頂きました。

全文読んでおりませんので
(私自身アルツハイマーに詳しくありませんので
奥様のご病状とあわせて投稿が有益かどうかわかりませんし、
またこの投稿をきっかけに今後の療法の妨げになってもいけませんし、)
失礼な投稿になってはと迷ったのですが、
思い切ってコメントに投稿させて頂きました。

ご存じのものも多数あるかもしれないのですが、
以下のサイトはご存知でしょうか、
Mary Newportや鬼頭先生のご本を読まれておられるのでしたら
もしかして興味がある内容化もと箇条書きで大変失礼なのですが、
もし参考になることがあるようでしたら幸いです。
ご回復を心からお祈りしています。

〇アルツハッカー
http://alzhacker.com/

〇(本)The End of Alzheimer’s(amazon URL 略)

〇The End of Alzheimer’s 概略 iherb ブログ
https://jp.iherb.com/blog/a-natural-approach-to-alzheimers/246

〇藤川徳美先生ブログ こてつ院長(広島県廿日市市・神経内科開業医)
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/

〇メガビタミン主義+糖質制限=藤川理論
https://www.facebook.com/groups/1727173770929916/

通りすがりん☆様

ご紹介いただいた本やサイトは知りませんでした。
読ませていただきます。
情報ありがとうございました。

よかよか

さきほどニュースサイトで『The End of Alzheimer’s』の
和訳が出版されたことを知り、お知らせしようと
先日の投稿以来はじめてこちらを訪問して
1月下旬以降の記事を拝見しました。


いままで他の方のブログに投稿するのは片手で数えられるくらい
特に治療については今後を左右することがあるので、
投稿してよかったのかずっと気になっていたのですが、
ほんのわずかでもお役に立てたようで、
(本来なら奥様の病状が少しでも回復されてからなのですが)
勇気を出して投稿させて頂いてよかったです。


下のURL2つの藤川先生は
多量かつ少なめの種類のサプリメントを摂取する
三石巌先生やポーリングの分子栄養学に基づいています。
理論は↓がわかりやすいです。
https://www.megv.co.jp/kouza3/kouza3_1.php
FBグループにはアルツハイマーの記載は少なく、
『The End of Alzheimer’s』とは異なりますが、
他の疾病例も多くとても参考になります。(ブログも)


知人のための検索をしていました。
私は英語が苦手なのですが知人は堪能なので、
大量の検索結果を治療の足掛かりにと思ったのですが、
私の力不足で残念ながら意思疎通がうまくいきませんでした。
早々にブレデセン教授に直接メールでお問い合わせ頂いたのですね、
すぐになんらかの行動に移して頂いたと知り
勝手なのですが私自身が救われたような気持ちです。

タイミングよく和訳が発売されたことが本当に嬉しいのです。
遠く他県に住む叔母がアルツハイマー初期のなのですが、
病院以外の療法を模索するタイプの家庭ではないので、
私が知人のために検索した煩雑な結果のうち
アルツハイマーに有効な部分を
伝えることができないもどかしさがありました。
翻訳本1冊なら渡せそうです。


少し愚痴ってしまいましたm(_ _)m
まだ寒さが続きますがご家族にみなさまともどうかご自愛ください。
奥さまがさらに回復されますように♪

追記:
『The End of Alzheimer’s』和訳本もさきほど注文し
まだ未読で、追加で読むべき本かどうかわからないのですが、
女性のホルモンの関係で、下記の本はご存知ですか?
『最新改訂増補版 医者も知らないホルモン・バランス』
今、読んでいる最中なのです。


直近の読了が下記、腸内細菌についてです。
『抗生物質と人間』
こちらは読み物です、すぐに読めます。

何か少しでもお役に立ちますように

通りすがりん☆ 様

再訪いただきありがとうございます。

The end of Altzheimer’sの情報や、アルツハッカーさんのサイトの情報はとても貴重な手がかりでした。手詰まり感があったところに打てる手が見つかったことを感謝します。

The end of Altzheimer's の日本版はお勧めです。

訳文もこなれていますし、原典にはない小見出しを沢山つけてくれているので、話の筋が分かりやすくなっています。また、訳者のまえがきや監訳者のあとがき、訳者のあとがきもこの本の価値を分かりやすくしてくれています。

また、予備診断用の検査項目については各項目について、日本ではどの病院に行けばいいか付記してあります。訳者がつけてくれた付加価値です。

藤川先生のFBは巨大なグループですね。情報量のが多すぎて道に迷いそうです。私の知人も沢山グループに入っていました。

最近、薬に頼って、糖質制限が緩みがちなのですが、The end of Altheimer's を読んで、それもヤバそうだと反省しています。(近いうちに軽くブログ記事にしようと思っています)

買い物のお得情報、ありがとうございました。(この部分は勝手ながら公開から外させていただきました)。活用させていただきます。

今回ご紹介いただいた本も読んでみます。

またいい情報がありましたら、よろしくお願いします。

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